青空バスケ―another story―
「……いいけど。
自分で行かなくていいのか?」
「さすがに会社にまでは行けないだろ」
「まぁ……確かにな」
分かったよ、と言って侑哉は俺の渡したものをしまった。
「……やっと動き出したか」
「いろいろ迷惑かけたな」
「本当にな、まったく。
この前、お前が怒って帰ったときにはどうしようかと思ったし」
「ははっ……悪かったって」
イツとはちゃんと仲直りした。
電話をかけたら、イツは1コールしない内に出た。
ハル~……!!って叫ばれたっけ。
「陽斗の良い話が聞けるのを待ってるよ」
「良い話かどうかは分からないけどな」
「……でも、決めたんだろ?
伊沢ときちんと話すって」
「……あぁ」
もう逃げない。
ちゃんと向き合う。
「どういう心変わりだろうな。
あんなに拒んでたのに」
「まぁ……いろんな人のおかげかな」
侑哉、イツ、松山、おばさん、タケ、香田。
いろんな人の言葉のおかげ。