青空バスケ―another story―

「……この前さ、同期の子に告白されたんだよね」

「へぇ。
相変わらずのモテモテ具合で」

「……でも、俺分かってたんだ。
その子……アタックがすごかったら。
俺のことが好きだって……分かってた」

「……それで?」

「中途半端にあしらってたんだよね。
いつもくっつかれるから……何かだんだん面倒くさくなってきて。
でも……その中途半端さがあの子のことを傷つけてたのかなって……」


香田はいつも俺にくっついてきた。

だけど、いつも何の反応もせずに簡単にあしらう俺を……香田はどう思っていたのだろうか。


「その子のことは好きじゃないって……自分の中では答えが出てたのに。
散々あしらわれた挙げ句に、告白したら元カノが忘れられないって言われて……。
俺、自分でもちょっとヒドいなって思った」

「陽斗……」

「だから……もう中途半端はやめる。
……はっきり答えを出してくる」


……男として、ケジメをつけてくる。

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