青空バスケ―another story―

戸惑うあたしに風見君はある物を差し出してきた。


「名刺なら前に貰ったけど……」

「いいから」


半ば強引に名刺を握らされる。

前のがあるからいいのに……。


「風見君って名刺を渡すのが趣味なの?」

「んなわけねぇだろ。
お前はいつからボケキャラになったんだ」

「じゃあ、どうして?」

「名前を見ろ、名前」


名前……?


あたしは渡された名刺に書かれていた名前を見た。


……そして固まった。


「浦山……陽斗……」


ハル君の名刺……?

何で……。


「陽斗がお前に渡してくれって」

「ハル君が……?」


何で今更……。

だって、この前会ったときは………


……思い出すだけで胸が苦しくなる。
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