青空バスケ―another story―
「連絡くれってさ」
「……そう」
ハル君の会社……。
……有名な大企業……。
すごい……。
「……陽斗、決めたみたいだぞ。
伊沢とちゃんと話をするって」
「え……?」
あたしは名刺から目線を上げて風見君の顔を見た。
「伊沢が会いたくないっていうんだったらそれでもいいよ。
アイツの顔が見たくないならそれでもいい」
「風見君……?」
「でも……一回でいいから、連絡してやってほしい。
……頼む」
……あたしはもう一度名刺を見た。
ハル君の電話番号……。
ここに電話をかければ……ハル君と話せる。
「でも……ハル君って彼女がいるんじゃ……」
「は?」
「へ?」
あたし達は間抜けな顔をしたまま固まった。
え……だって、そうじゃないの?
何か変なこと言った……?