青空バスケ―another story―

「いないけど……」

「え……?」

「アイツ、伊沢がパリに行ってから……誰とも付き合ってないけど」

「……………へ?」


ウソ……。

え……ウソでしょ!?


「だ、だって……あたし……見たもん。
ハル君が女の人に抱きつかれてるところ……」

「女?………あぁ」


風見君は何か納得したような声を出した。


「そういえば、最近同僚に言い寄られてたらしいぞ」

「え……?」

「まぁ、この前フッたらしいけど」


ポカンとするあたし。


じゃあ……あれはあたしの誤解?

ハル君は……誰とも付き合ってない?


「……何を思ってたのか知らねぇけど、陽斗の伊沢に対する気持ちは生半可なもんじゃないと思うよ、俺は」

「……あたし………勝手に誤解して……」

「ここで懺悔してても意味ないだろ。
……相手に伝えなきゃ、何も始まらない」


……そう……だよね。

伝えなきゃ……伝わらない。

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