青空バスケ―another story―
「……伊沢?」
「久坂君?
帰ってくるの早いね」
「まぁ……な」
久坂君は自分のイスに座ると、クルッとあたしの方を向いた。
「……それ、元カレの名刺?」
「……うん」
そっか、と久坂君が笑った。
「……ごめんね、久坂君。
あたし、やっぱり……」
「……いいよ、分かってたから。
謝んなって」
久坂君の気持ちは嬉しかったけど、あたしが好きなのはやっぱり……
「……会うの?」
「……うん。
ちゃんと話そうかなって……思ってる」
あたし、誤解してたし……。
ちゃんと……会って話したい。
「……頑張れよ」
「……ありがとう」