青空バスケ―another story―
その日の帰り道。
あたしはケータイを片手にゆっくりと歩いていた。
そろそろ帰宅時間かな……。
何度も電話番号は打った。
だけど……最後の通話ボタンが押せなくて。
「……あたしな意気地無し!」
思わず一人でケータイに向かって叫んでしまった。
慌ててキョロキョロ辺りを見回す。
……よかった。
誰もいない……。
……ちょっと落ち着こう。
どこか落ち着ける場所……。
……あ、そうだ。
あそこに行こう……。
あたしはすぐに思い立って、目的の場所に向かって歩き出した。