青空バスケ―another story―

ハル君の目は……どこまでも優しかった。

少し大人びて……スーツがよく似合うハル君は……七年前のハル君とは違う。


だけど……あたしを見てくれる目と……その優しい心は何も変わっていない。


……あたしは迷わずにハル君の胸に飛び込んだ。


そっとハル君があたしの背中に腕を回す。


「……いいの?
あたしで……」

「……俺は七海じゃなきゃダメなんだよ」


優しい声がスッとあたしの耳に入り込む。


「……七海は?」


ハル君があたしの顔を覗き込む。


「……あたしも……ハル君じゃないとダメ」


そう言うと……ハル君は優しく微笑んで、あたしの唇にそっとキスを落とした。
< 298 / 300 >

この作品をシェア

pagetop