青空バスケ―another story―
イツも侑哉も同じ部活。
去年から同じクラスで仲が良かった。
「今年こそは香織ちゃんを彼女に……って思ってたのに!」
「別に違うクラスじゃなくたってできるだろ」
「まっ!聞いた?侑哉さん。
これだからイケメンは……」
「イツ、キモい」
「侑ちゃんヒドい!!」
俺達はいつもこんな感じにバカな会話をしながら過ごしている。
何の変わりもない至って普通の日常。
そんな日常がこのクラス替えを機に少しずつ変わっていく――
教室に着くと、俺は自分の席にカバンを置いた。
出席番号順の席だから、俺は大抵一番端の席になる。
「ハル!ハル!」
「どうした?イツ」
「俺、ハルの二つ後ろ!」
「よかったな、陽斗。
うるさいのがすぐ後ろにいなくて」
「ちょっ、侑ちゃん!」
うん、確かにイツが真後ろにいたらうるさいからな。
……授業中も。
……ガタン
ん……?
……前から音がしたかと思うと、俺のすぐ前に女の子が座った。
チラッと見えた顔は、目がクリッとしていて全体的にふわふわとした可愛らしい感じだった。