青空バスケ―another story―

小学生の時から、ずっと。

学校から早く帰ってきて、家事をして。

遊ぶ時間もあんまり無くて、大変だったけど。

でも、嫌だと思ったことは一度もない。


あたしは海里もお父さんも大好きだから。


お父さんがあたし達のこと大事にしてくれてることも……全部分かってるから。


「海里ー!!
朝だよー、起きてー!!」


あたしが大きな声を出すと、カチャ……とドアの開く音がした。

そのまま階段を下りる小さな音が聞こえてきた。


「んー……お姉ちゃん……パパ……おはよ……」

「おはよう、海里。
顔洗って目覚ましておいで」

「うん………」


お父さんに言われて、海里は目を半分開けたまま洗面所の方へ行った。


「小さい頃の七海にそっくりだ」

「あたしはもっと寝起きよかったよ!」

「いーや。似たようなもんだ」


やっぱり姉弟だな、とお父さんが笑った。

< 30 / 300 >

この作品をシェア

pagetop