青空バスケ―another story―
陽斗side

「うーわっ……降ってきた……」


侑哉が外を覗きながら小さくため息をついたのは一時間ぐらい前。

部活が終わる時間に近づくにつれて、止んできた。

今は晴れている。


「ラッキーだったな」

「やっぱ俺の普段の行いが良いからかな~!!」

「「…………………」」

「ちょっと二人とも!!
シカトしないで!」


相変わらずです。

イツは相変わらずウザくて面倒くさいです。


「そうだ、イツ。
松山の誕生日ってバレンタインだってさ」

「マジ!?」


イツが目を輝かせながらこっちを見てきた。


「てことは、プレゼントするならチョコレート?
あ、いや……でも、貰うのは俺の方か。
だったら……」

「……もしかして、貰えること前提で考えてる?」

「え?貰えないの?俺」

「……幸せだな、お前」


侑哉が呆れたようにそう言った。

ポジティブだからな、イツは。

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