青空バスケ―another story―

男の子は近づいてきた俺を見て、ちょっとビクビクしていた。

俺はバスケットボールを脇に抱えながら男の子の目線に合わせてしゃがんだ。


「どうした?」

「………………」


男の子は傘を二本持っていた。

一つはその子の物と思われる物で、もう一つは少し大きめの傘。


「誰かのお迎えに来たの?」


俺がそう聞くと、男の子はコクリと頷いた。


「……お姉ちゃん……」

「ん?」

「お姉ちゃん……今日、傘持って行かなかったから……」


あぁ、さっきまで雨が降ってたから。

だからお姉ちゃんを心配して迎えに来たのか。

まぁ、学校内で迷った末にここにたどり着いたってとこだろうな。


なるほど。

じゃあ、そのお姉ちゃんを探さなきゃだな。

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