青空バスケ―another story―

「お兄ちゃん……」

「何?」

「それ……」


男の子は俺が持ってたバスケットボールに興味を示した。


「バスケ。知ってるか?」

「聞いたことあるよ。
お姉ちゃんがよく話してるの」

「お姉ちゃんはバスケ部?」

「ううん、違う」


違うのか……。

バスケ部だったらすぐにお姉ちゃんが見つかっただろうに。


「バスケって楽しい?」

「楽しいよ」

「へ~!
ボクもやってみたいな」


あ、心開いてくれた。

笑顔が可愛い。

ていうか、何かどこかで見たことあるような顔……。


「陽斗」


後ろから侑哉が話しかけてきた。


「その子……」

「あぁ。
お姉ちゃんに傘を届けに来たらしい」

「お姉ちゃんか」


侑哉が男の子の前にしゃがみこんだ。

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