青空バスケ―another story―
しばらく海里と話ながら歩いていた。
海里の手はとても小さくて、でもギュッと俺の手を握っていた。
「ハル兄ちゃんはお姉ちゃんのお友達?」
「うん。お友達」
「じゃあ、カオちゃんと一緒だね」
カオちゃん……?
あ、松山のことか。
「うん、カオちゃんと一緒」
でも、いつまでもカオちゃんと一緒じゃダメだ。
いつかは……もう一歩先に。
「海里!!!」
その時、向こうの方から海里を呼ぶ大きな声が聞こえてきた。
「お姉ちゃん!」
海里は俺から手を離すと、七海の方へ走っていった。