青空バスケ―another story―
「俺も兄弟欲し~………」
「あれ?
ハル、弟と妹がいるっていってなかった?」
「弟のように可愛がってる奴らと妹のように可愛がってる奴ね」
可愛いんだけど、毎日会えるわけじゃないし。
やっぱり兄弟が欲しい。
「弟はイトコだっけ。
妹の方は誰なの?」
「イトコの幼なじみ。
もうね、超可愛いよ。
会う度に『ハル君だ~!』って抱きついてくんの。
超可愛い」
女の子は可愛いね。
いや、別にロリコンとかじゃないけど。
うん、俺は妹が欲しい。
「うわ、何その天使みたいな子!
ハル!俺にも紹介し……」
「却下」
「えぇ!」
「……当たり前だろ。
俺だってウチの妹をお前に会わせたくねぇし……」
「え!?何で!?」
「「……何か危ない」」
「危なくないから!!」
冗談はさておき。
俺はカバンの中から大量の紙の束を取り出した。
これをどうにかしなきゃ。
「……陽斗、何それ」
「部長が。
今日の部活で配るから全部ホッチキスで留めろって押し付けられた」
「ハル、部長のお気に入りだからな~!
よかった、俺じゃなくて!」
「ちなみに同じクラスの部員三人でやれって」
俺がそう言った瞬間、侑哉とイツが立ち上がった。
「……ちょっと俺、トイレ行ってくる」
「お、おお俺、校長室行ってくる!」
そう言って二人は走って教室を出ていった。
……やっぱ逃げられたか。
まぁ、予想できてたけど。
ていうか……
「……何で校長室なんだよ」