青空バスケ―another story―
パチン、パチンとホッチキスで次々と紙の束を作っていく。
あー……何か肩凝ってきた。
「これ何?」
「さあ。
何か作れって言われたから作ってる。
先輩には逆らえないからなー」
「運動部ってそうだよね。
でも、先輩のこと好きなんでしょ?」
「あぁ。尊敬してるよ」
変にコキ使ってくるけど、優しいしいい人達だし。
「何か悪いな。
手伝わせちゃって」
「いいのいいの。
こっちだってお願い聞いてもらったし」
「バスケしてくれ、なんて俺にとっては嬉しいこと以外の何物でもないけどな」
すると、七海は小さく笑った。
いや、でも本当のことだし。
一緒にバスケやろう、なんて言われたらどこにでも飛んでっちゃうし。
「本当に好きなんだね、バスケ」
「大好きだよ」
俺がそう言って七海の方を見ると、なぜか七海は俺から顔をそらした。
なぜか耳が赤い……。
「七海?」
「な、何でもない……」