青空バスケ―another story―

パチン、パチンとホッチキスで次々と紙の束を作っていく。

あー……何か肩凝ってきた。


「これ何?」

「さあ。
何か作れって言われたから作ってる。
先輩には逆らえないからなー」

「運動部ってそうだよね。
でも、先輩のこと好きなんでしょ?」

「あぁ。尊敬してるよ」


変にコキ使ってくるけど、優しいしいい人達だし。


「何か悪いな。
手伝わせちゃって」

「いいのいいの。
こっちだってお願い聞いてもらったし」

「バスケしてくれ、なんて俺にとっては嬉しいこと以外の何物でもないけどな」


すると、七海は小さく笑った。


いや、でも本当のことだし。

一緒にバスケやろう、なんて言われたらどこにでも飛んでっちゃうし。


「本当に好きなんだね、バスケ」

「大好きだよ」


俺がそう言って七海の方を見ると、なぜか七海は俺から顔をそらした。

なぜか耳が赤い……。


「七海?」

「な、何でもない……」


< 53 / 300 >

この作品をシェア

pagetop