青空バスケ―another story―
あたし達が頑張ってホッチキス留めをやり、ようやく半分が終わった頃。
突然、ハル君がクラスメートに呼ばれた。
「浦山ー、何かお前に用があるって奴が……」
「俺に?」
教室の入り口の方を見ると、女の子が顔を赤らめてもじもじしながら立っていた。
……すぐに分かった。
……告白だ。
「ごめん、七海。
すぐ戻ってくるから」
「あ……うん」
行っちゃうんだ……。
不安な気持ちと寂しさが一気に押し寄せる……。
あの子……可愛かったな。
やっぱりハル君はああいう子が好きなのかな……。
「はぁ……。
……やろう」
一人でホッチキスを留める。
何か……寂しい。
……カッコイイもんね。
優しいし。
こうやって仲良くしてもらってることが奇跡なんだもん。
でも……
「……好き」
見た目とかそんなんじゃなくて……
優しくてバスケが大好きな……ありのままのあなたが好き……。