青空バスケ―another story―

俺は部活が終わるとすぐに学校を出た。

待ち合わせ場所は近所のストバス。


ヤベッ……思ったより部活が長引いた。

約束の時間は完全に過ぎている。


急がないと……。


走る俺。

昼飯食ってないけど、それどころじゃない。


とにかく全速力で走った。


「あ、ハル兄ちゃんだ!」

「はぁっ……ごめんな、海里!」


ストバスに着くと、海里が嬉しそうに近寄ってきた。


可愛い。

相変わらずの可愛さだ。


「ハル君、お水飲む?」

「頼む……」


七海からお茶を貰ってグイッと飲む。

あー……喉が潤う。


「ハル兄ちゃん、やろ!
早くやろ!」

「海里。
ハル君疲れてるんだから、少し休ませてあげないと……」

「えー……」

「大丈夫だよ。
やるか、海里」


俺はカバンの中からバスケットボールを取り出した。


「うわぁ……」


その途端、キラキラと目を輝かせる海里。

この純粋な目。

いい目だ。

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