青空バスケ―another story―
その日の帰り道。
海里は気持ちよさそうに寝息をたてていた。
……ハル君の背中で。
「ごめんね……本当に」
「いいって。
それより、大丈夫?
俺の荷物重くない?」
「大丈夫だよ」
ハル君に海里をおんぶしてもらってる代わりに、あたしがハル君の荷物を持っている。
「重かったら俺が持つから」
「えっ!?
それは大丈夫だよ!
そこまで重くないし……」
本当、どこまで優しいの……。
そんなところも……好きなんだけど。
「……それにしても、よく寝てるな」
「楽しかったんだよ。
あんなにはしゃいでるの久しぶりにみたし」
「そうなの?」
「うん。
……きっと、ハル君のこと本当のお兄ちゃんみたいに思ってるんだよ」
兄弟みたいだったもん。
見てて微笑ましかった。
すると、ハル君は優しい笑みを見せた。
「だったら……嬉しいな」
あまりにも優しいその表情に……あたしの胸が高鳴った。