青空バスケ―another story―

「俺……って、それ以外に誰がいるの?」


いや……

俺がイツの方を見ると、イツは口を開けたまま固まっていた。


「王子っていったら浦山君でしょ?」


そんなの初耳ですけど……。


「それで、何?」

「あ、そうそう!
聞いたよ、七海とのこと!」


嬉しそうに机をバンバン叩きながら話す松山。

イツは相変わらず固まってる。


「よかったねー!
あたし、ずっとこの時を待ってたんだから!」


松山は満面の笑み。

その笑顔にイツがやられていた。


「でも、七海は浦山君のものじゃないからね!」

「え?」

「あたしのでもあるから!
そこのとこ、よろしく!」


そんなに話したことないのにやって来たから何事かと思ったけど……

……そっか。

これを言いにきたのか。

松山の気持ちを察した俺は思わず笑顔になった。

< 79 / 300 >

この作品をシェア

pagetop