青空バスケ―another story―
「俺……って、それ以外に誰がいるの?」
いや……
俺がイツの方を見ると、イツは口を開けたまま固まっていた。
「王子っていったら浦山君でしょ?」
そんなの初耳ですけど……。
「それで、何?」
「あ、そうそう!
聞いたよ、七海とのこと!」
嬉しそうに机をバンバン叩きながら話す松山。
イツは相変わらず固まってる。
「よかったねー!
あたし、ずっとこの時を待ってたんだから!」
松山は満面の笑み。
その笑顔にイツがやられていた。
「でも、七海は浦山君のものじゃないからね!」
「え?」
「あたしのでもあるから!
そこのとこ、よろしく!」
そんなに話したことないのにやって来たから何事かと思ったけど……
……そっか。
これを言いにきたのか。
松山の気持ちを察した俺は思わず笑顔になった。