青空バスケ―another story―

「俺は……」

「知ってるよ。
浦山陽斗君でしょ?」

「何で俺の名前知ってんの?」


俺がそう聞くと、伊沢はにっこり微笑んだ。


「知ってるよ。
だって、浦山君有名だもん」

「え?俺が?」

「うん」


有名……?

俺、何かしたっけ……?


「ウチの高校、バスケ強いでしょ?
そんなバスケ部で一年生にしてスタメンに選ばれたのって浦山君だけだから。
みんな知ってると思うよ」

「みんなって……」

「この学年はみんな知ってるんじゃないかな?」


マジで?

それ……初耳なんですけど。


「すごいよね!
あたし、バスケ好きなんだ。
だから応援してるね!」


そう言って無邪気に笑った伊沢は……本当に可愛かった。

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