青空バスケ―another story―
その時、ハル君の腕が少し緩んだ。
その隙に顔を上げて、ハル君の顔を見る。
「あっ…………」
ほんのり赤いハル君の顔。
「……やっぱり可愛いじゃん」
「だから、可愛いは嬉しくないの」
「じゃあ、カッコイイ」
「……じゃあ、七海は可愛い」
「えっ………!」
そ、そんな不意打ちなんて……
「………………」
「ははっ、七海の顔真っ赤」
そう言いながらあたしの頬に触れるハル君。
ハル君の手は……大きくて温かい。
「……七海」
ハル君があたしの名前を呼ぶ。
不思議と……ハル君から目が離せなくなった。
ハル君の顔が少しずつ近づいてくる……。
そのまま目を閉じると……そっと唇が合わさった。
ハル君の温もり――
ゆっくりと唇が離れ、目を開ける。
何だかちょっぴり恥ずかしくて、どちらからともなく笑った。
屋上で……初めてのキス。
少し恥ずかしい、甘酸っぱい思い出。