青空バスケ―another story―
「でも、今年はイッ君も風見君も出るんだよね?」
「あぁ。
そういや、イツがもし決勝リーグに行ったら松山に観に来てもらうって張り切ってたっけ」
「本当に香織のこと好きなんだね。
あの二人、どうなるのかな~……」
気になる。
もしイッ君と香織がくっついたら……
……どうなるかまるで予想がつかない。
「ぶっちゃけさ、松山はイツのことどう思ってんの?」
「香織?
んー……はっきり聞いたことはないんだけど……見た感じはただの同級生って感じかな」
「だよな。
呼び方も“大崎君”だしな」
「あれ、もしかしてイッ君のこと心配してるの?」
あたしが笑いながら聞くと、風見君は小さく笑って頷いた。
「まぁ……一応」
「イッ君っていじられキャラだから、風見君もハル君も軽くあしらったりするじゃん?
だから、風見君がそういう風に言うのってすごく新鮮かも」
「俺だってちゃんとイツのことは大切に思ってるって。
もちろん陽斗のことも」
風見君って意外といいお兄ちゃんって感じだよね。
普段は見せないけど、実は友達思いで。
多分、ハル君もイッ君もそれを分かってるんだよね。