青空バスケ―another story―
「……変に気負っちゃってる感じがあるんだよ」
「気負う……?」
風見君はゆっくり頷いた。
「次期部長って決まってから……多分、プレッシャーがあったんだと思う。
ウチ……俺が言うのもあれだけど、結構強豪校だからさ。
それを引っ張っていくのって相当大変だと思うし……それに……」
風見君が一瞬黙った。
それに……何?
「……陽斗はみんなから期待されてるからさ。
一年でスタメンってかなりすごいことだし、去年はアイツの力でベスト8まで行ったから」
「知ってるよ。
そこからみんなに王子って言われるようになったんだもんね」
みんなの注目の的になったんだよね。
「だからかな。
陽斗が部長になることに誰も反対しなかったし、寧ろ変に期待をかけすぎたのかもしれない」
「かけすぎるって……どういうこと?」
「先輩からも俺達からも後輩からも……。
陽斗なら大丈夫。
絶対良い結果を残してくれる。
俺達をまとめ上げて……良い部長になってくれる。
……俺らからしたら祝福のつもりでかけた言葉も、陽斗からしたらプレッシャー以外の何物でもなかったのかもしれない」
風見君……。
風見君は本気でハル君のことを心配してる。
そんなことが手に取って分かるような表情をしていた……。