青空バスケ―another story―

陽斗side


いつものようにボールをゴールに向かって投げる。

俺の手から放たれたボールは……そのままリングに当たって落ちた。


……入らない。

何度シュートをしても……何度やっても……入らない。


今までになかったこの感じ……。


「クソ………っ！！」


力任せにボールを床に投げつけた。


ボールが跳ねる音だけが虚しく響く……。




――スランプ



分かってる。

ムキになればなるほどできなくなるって……。


でも……このままじゃダメなんだ。


このままじゃ………。


「浦山」



低い声が誰もいない体育館に響いた。


振り返ると、監督が壁に背を預けて立っていた。