Light of hope Ⅰ【完】
いじめ
慌てて廊下を走り、壊れそうな程勢いよくドアを開けた。
それと同時にチャイムが鳴り響く。
「セーフ?!」
慌てて前を見るが、來ちゃんの姿はない。
「はぁ、疲れた…」
「久しぶりに全力疾走したよ」
息を整えながら席につき、教科書を机から出そうとしたが……
え?……ない。
置き勉しているから、無い筈がないのに…。
突如として消えた教科書に呆然としていると、
「どうかしたの?」
首を傾げた陽が心配そうに話しかけてきた。
「……いや何でもないよ」
どうしようかと思いふと顔を上げると、視界の端でクスクスとこちらを見て笑っている女子が目に入る。
あぁ、嫌がらせか…。
どうせ、姫になった事への妬みだろう。
仕方ない……教科書なしでやるか。