Light of hope Ⅰ【完】
「おい、いつまで引っ付いてやがる。……離れろ」
陽を大魔王の元へ出撃させようと奮闘していると、蓮の低い声が届いてくる。
「へ?なんで引っ付いちゃダメなの?」
面白そうで、わざと陽に引っ付きながら聞いてみる。
「うわわ、やばいよゆみりん。離れて!」
陽の焦った表情に首を傾げていると、蓮に引っ張られて、また腕の中に逆戻り。
「由美、他の男に気安く抱きつくんじゃねぇ」
そう言いながら、キツく抱きしめてくる。
「えーっと…………分かった」
返事を濁していると、睨まれたので頷く。
蓮が1番危ない気がするんだけど…。
「それに、何かあればすぐに言え」
「うん、今日はごめんなさい」
謝ると、抱きしめながら背中をポンポンと撫でてくれる。
それに安心感を覚え、自然と身体を預ける。
何で気を許してるんだろう…と思いながらも、そこから逃げようとは思えなかった。