Light of hope Ⅰ【完】
そんな私に満足げに笑い、一人納得したような顔をして、
「由美、ついて来い」
それだけの言葉をかけて連れて行こうとする蓮に軽く苛立ちを覚える。
世の中は1人のためだけに廻っていないのだから、自分の思い通りになると思ったら大間違いだ。
「……なんで?」
「俺が気に入ったからだ」
「そんな理由でついて行くわけ…
『キーンコーンカーンコーン』
……え?」
私の言葉を遮るように鳴り響くチャイムで、今度は私が固まる。
「これ……何のチャイム?」
「あ?授業開始のチャイムだろ」
やばいっ理事長室!!
「じゃ、時間ないからバイバイっ」
そう言い残し2人を置いて走り出す。
後ろから何かを叫んでいたが、気にせず走り続けた。