Light of hope Ⅰ【完】
「……來ちゃんが先生ってありえない」
思いがけない人物の登場に放心していると、
「おいおい、酷い言い様だな。俺だってやれば出来るんだよ」
馬鹿にしたように鼻で笑ってくる。
それに文句をつけようと口を開くが、
「そこまでにしとけ、もう1限始まってんだぞ。転校初日から遅刻してるんだから急げ」
呆れたようなたっちゃんの声にタイミングを失ってしまった。
「あ、そうだったな。行くぞ由美」
そんな私を余所に來ちゃんはスタスタと歩き出していく。
「あ、ちょっと待ってよ。じゃあまたね」
ヒラヒラと手を振って、もうかなり離れてしまった來ちゃんを追いかけた。
「闇に……飲まれるんじゃねぇぞ」
たっちゃんがぽつりと呟いた言葉を私が拾うことはなかったーーー。