Light of hope Ⅰ【完】
「怖い……夢?」
夢とは思えないほど、鮮明と覚えている。
最初に出て来た男……何で…何で夢にまで出て来るんだよっ…あんな奴…父親だと思いたくない。
あれは絶対に私の肉親……父親だ。
それに耳元で私に語りかけてきた奴……最後に見えたその姿は全身黒で覆いつくされ、まるで私の心を写し出しているようだった。
……もしかしたら私自身だったのかもしれない。あの声と…一瞬見えた顔…私にそっくりだった。
凄く嫌な感じがする。
「……落ち着け」
さっき見た夢を思い出していると、無意識に身体が震えていた。
そう言われて初めて気がつき、呆然と震える両手を眺めていると、蓮は私を力強く抱きしめ、安心させようとしてくれる。