Light of hope Ⅰ【完】
その空気や視線から皆の気持ちが伝わってくる。
困惑、嫌悪、喜悦……喜ぶ者もいれば、嫌がる者もいる。いや、嫌がる者がほとんどか…。
「由美、挨拶」
そんな中、促され一歩前に進み出る。
「おはようございます、神崎由美です。
いきなり銀狼の姫が出来る言われて戸惑っている人も、急に姫になった私を守れと言われて嫌だと思う人がほとんどだと思います。
私は守ってもらおうとは思いません。
ただ、この温かい場所に来ることだけは認めてください。お願いします」
それだけ言い、頭を下げた。
無駄な言葉は不要……余計な言葉は本当に伝えたい思いを消してしまうから。