恋をした
*でも、やっぱり*
愛莉side
美樹のメールを見せてもらったとき、正直驚いた。
佳澄と付き合ってるって話だったらどうしょう…。
それこそ、あたしはもう立ち直れない。
美樹は返信、なんてすればいい?ってあたしに聞いてきた。
でもあたしは本当になんて返信したらいいのか分からなかった。
「じゃあ、何の話か聞いていい?」
「良いよ。」
自分で聞く勇気がないから、あたしは美樹にかわりに聞いてもらった。
でも、その返信は
〈愛莉本人と話たいし、ごめん。〉
だそうで…。
教えてもらえなかった。
篤志は何を考えてるんだろう…?
「中西!!大丈夫か?」
勢いよく扉があいたから、篤志かと思ったら佐藤くんだった。
少しがっかりしてる自分がいて嫌だった。篤志は佳澄の彼氏なのに。
心配してるのは幼馴染みだからって分かってるのに。
「佐藤くん、どうしたの?」
「心配だったから。てか、テンション低いな!篤志だと思った?」
「!!」
「図星かよ(笑)」
篤志と重ねてしまう…。
「なんで、篤志なんか…!!」
「え?嫌いなの?」
「大嫌い!」
「分かってるょ。大嫌いは大好きって意味だよね!」
つい、大嫌いとか言っちゃったけど佐藤くんには見破られてしまう。
多分、美樹も分かってたと思うけど。
こんなに、好きなのに急に嫌いにはなれないって事。
本当は、大好きだょ。篤志。