メルヘン侍、時雨れて候
メルヘンさんは、犬を床に下ろし、じっとしてるようにと真剣な顔を見せ、犬はそれに従った。

ほうきとぞうきんを手に取り、ご隠居の掃除を無言で手伝うことにした。

その様子をちらりとだけのぞき、ご隠居はゆっくりと掃除を続けた。

しまい忘れている季節はずれの風鈴が小さくなった。


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