涙と、残り香を抱きしめて…【完】

そう言えば、星良は抵抗出来ない…


俺は胸をなぞる様に指を滑らせながら、彼女の反応を盗み見る。


「もう…いいでしょ?
着けた感じは悪くない。
見た目も綺麗だし、問題無いわ…」


早口でそう言うと、俺の手から逃れ様と身をよじる星良。


「まだだ。もう一つ、確かめたいことがある」

「な、何を確かめたいのよ?」


頬を紅色に染めた星良が居心地悪そうに視線を横に向けた。


「んっ?それはな…コレだ」


俺はもう片方の手を背中にまわしブラのホックを弾くと、肌から浮き上がったブラを一気に奪い取る。


「何するの…うっ…」


もう、ここまできたら止まらない…
強引に星良の唇を奪い遮るモノが無くなった胸に触れた。


手の平から伝わってくるほんのり温かい体温と柔らかく弾力のある感触
そして、更に俺を刺激する甘い香り…


益々、この体を自分のモノにしたという欲求に駆られる。


「いやっ…!!」

「動くな」


抵抗する彼女の動きを止めようと両手首を容赦なく掴み
暴れる体ごと壁に押し付けた。


「や…めて、成宮さ…ん
ここをどこだと思ってるの?
会社…よ」

「会社じゃなきゃいいのか?」

「そんな問題じゃ…」


露わになった形のいい胸に唇を這わせると、星良が微かに反応する…


「正直に言えよ。不倫相手の事…まだ忘れられないんだろ?」

「それは…」

「俺が忘れさせてやる…
俺がそんな辛い恋…全部忘れさせてやる」

「成宮さん…」

「心配するな。俺はお前を、決して泣かせたりはしない。信じろ…」


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