すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
雪菜はそっと目頭を押さえて、気持ちを落ち着かせた。


「何でもないわ」


雪菜の隣りにいる竜哉を見て、何かを感じた祥吾は一瞬考えた。

だが…


「もう1万円、貸してもらってもいい?」


両手を合わせてお願いする。


「えー、もうこれ以上は無理だから…ちゃんと返してよ」


財布から1万円を抜き出して渡す。


「サンキュー。ところで、姉ちゃんさ、何か顔赤くない?珍しく飲んだの?」


「飲んだっていっても軽いのだし、大丈夫だよ」


雪菜は両手で頬を触る。
確かに少し熱い。
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