すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
困惑の部屋
「ただいま~」


「誰もいないのにいつもただいまって言ってるの?」


「何か文句ある?」


ふわふわした気分がすっかりなくなってしまった雪菜は不機嫌である。


「いや、別に文句はないけど」


「けど、何よ?」


今日の雪菜は何かと突っかかる。


まだ酔っているのかもしれない。


「とりあえず、えっと…」


竜哉は雪菜の機嫌が良くなるものをぐるっと見回して探した。


(あ、これだ、これ…よし!)


大きなくまのぬいぐるみを雪菜に渡す。


「ほら、これを抱いてろ」
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