すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
「ちょっと待って」


雪菜は竜哉が閉じようとする場所に手を置いて、そのままページを2つめくる。


「これだと思うけど」


めくったページの右側を指した。


「あ、これだ」


「ね!」


雪菜は見ていたファイルから目を離して、竜哉の顔を見た。


竜哉も同じく雪菜を見た。


2人の距離はかなり近かった。

竜哉の視線は雪菜の唇にあった。


昼休みの終わりに化粧直しをした雪菜の唇は、昼休み前に見た時よりも鮮やかで艶があって、色気もある。
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