すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
竜哉は吸い込まれるように雪菜の顔に近付く。

親指が唇に触れる。指に色が付く。


「キスしていい?」


至近距離で要求されてた雪菜の頬が少し赤くなる。


「い、嫌よ」


断るがその場から動けなかった。

雪菜の両肩はしっかり竜哉が掴んでいる。


さっきまで持っていたファイルは床に落ちている。せっかく探し出したページはどこだか分からなくなっていた。


竜哉から離れられない…目も逸らすことも出来ない。


時間が止まったかのように雪菜は動けずにいた。
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