すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
「なあ、ポテチ食う?」

竜哉が雪菜に袋を向ける。


雪菜は無言で受け取り、バリバリと音を立てて食べた。

その音で機嫌の悪さが伝わる。雪菜の機嫌は一向によくならない。


でも、竜哉は全然気にしていなかった。


「さて、寝よう」


雪菜の機嫌をこれ以上悪くしてはいけないと思う気持ちもあったようで、ベッドの上にあるぬいぐるみたちをソファーに移動させていた。


「ここに置くね」

と一声掛けて。


雪菜はぼんやりと竜哉の動きを眺めていた。


全部移動させて、ベッドの半分に竜哉は横になった。

雪菜は何もしないで、ただ立っていた。

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