詩集
【目の前に広がる景色。】

目を開いたら夢は終わるのに
目を閉じたって現実は終わらない
前に進めない脳をたたき起こしても
上りきれない坂道が目の前に広がるだけ
どうしたって絶望。

どこに行くのかも知れないその道を
上るしかないのだろうか

諦める道はないのだろうか
寄れる道はないのだろうか

探してみたって辺りは真っ暗、見えるはずもない

覚悟を決めて登り始めると一歩目で後悔した
息も絶え絶えに歩き続け、十歩目で涙を流した
もう諦めてしまえと自分の中から声が聞こえる
歩くのをやめてしまえと、私が叫んでいた

半分まで頑張ってやっと立ち止まった。
だけど誰も見ていない。

どうしてだろう
どうして私はここまで頑張ったんだろう
もうどうやって歩いていたかもわからない
もう、一歩たりとも、進めない。

泣き出しそうになった時、声が聞こえた。
「大丈夫、一歩ずつ行こう」

声に顔をあげたら。
道が、見えた。
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