詩集
【winner】

目の前に敵がいた。ずっと勝てない敵がいた。

勝ちを夢見たりもしたけど、
勝てっこないんだと実は理解もしていた。

私には見えない何かが敵を勝利に導いていて
それが何か知り得ない今は勝つことなど不可能

がむしゃらにひたすらに追いかけてみたり
バカみたいに意地を貫いて張り合ってみたり
そんな事をしたけど何の意味もなかった

何をどうすることも出来なくなって
子供みたいにバカな失敗をしたときに
やっと私は我に返る。何をしていたのか

反省したら前を向いて。
あとはただひたすらに自分を信じた。
そうしたら、声が聞こえた。

「今期はお前の一人勝ちだよ」

何に。どうして。どこで勝ったの。
そんな疑問が浮かぶ前に、私はつい、
つい、出来心でガッツポーズを空にあげた
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