詩集
【私が消えたその後には】

奇跡が山ほど起こっていた
それは耐えた彼らへのご褒美のように
逃げた私には堪能できない代物があった

だけど後悔はしていない
逃げなければ私は、ご褒美に気付かなかった
今だからこそ気付いたのだと、そう思う

それはそれは惜しい事をした
だけどそれで良かったのだと心底思う
私は今とても幸せなのだから

そこには居ないけれど、私はいつも
あの場所が、あの人たちが大好きだった
決して誰にも言わないだろうけれど
私はあそこに居れてよかったと思ってる

だからこそ、ご褒美があって嬉しいのだ
私には手に入らないご褒美が嬉しいのだ

あの人たちにそのご褒美が与えられて
私は心底、嬉しく思えるのだ
< 92 / 104 >

この作品をシェア

pagetop