らぶ・みー 
彼が口にした言葉に胸を打ち抜かれる。

彼はいつもこうして、いとも簡単に言葉だけで私を狂わせる。

だから、溢れる思いに潰されそうになる。

私に何も背負うものがなければ、迷うことなく、今すぐ彼の胸に飛び込んで行けるのに.......



夕方、帰宅した娘がドキッとすることを言った。



「ママのコート、いい匂いがするね。前もちょっとしてたけど、今日はいっぱい甘い匂いがついてる。」

「え?....そ、そう?」

「何の匂い?」

「何だろうね。....シャンプーかな?お化粧かな?」



家族がそれほど興味を示すと思わなかったから、香水の匂いがついたコートも消臭剤をかけておけば十分だと思っていた。

これからもっと細かい所まで気をつけなくちゃ......

彼のことは絶対に知られてはいけない秘密。

こんなミスは許されない。

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