らぶ・みー
「寒いからどっか入ろう。」
「うん。」
彼が腕を差し出す。
腕に掴まりながら、さっきから気になる方向に目をやってみる。
ここに着いてからずっと、まとわりつくような視線を感じるのだ。
ゆっくりと振り返りながら辺りを見回すと、少し離れた所に立っている知らない女性と目が合った。
「あ、また見られちゃった。」
「え?」
「この前言ってたクールな女上司。」
彼が軽く会釈すると、彼女は小さく頷き、そそくさと行ってしまった。
今のは何だったんだろう?
どう考えても、私を見ていた。
突き刺すような鋭い視線.......
気になって仕方がない。