らぶ・みー
Chapter 9 誰にも言わない
chap.9 誰にも言わない
ラブホテルで益田さんに会ってから、一週間が過ぎようとしていた。
益田さんはもともと大人しいタイプの人だから、あの時、私に気づいていたとしても、みんなに言いふらしたりはしないと思う。
顔見知りではあるけど、同じクラスになったのも初めてだったし、特別に仲が良い訳ではない。
わざわざ呼び出して問い正すのもおかしいし、気づかれていないなら取り越し苦労になってしまうし.......
どう対処するべきなのか、何もしないでいる方がいいのか、悩んでしまう。
そんな悩みを抱えていても、本来の私を取り巻く環境は、いつもと変わらずに過ぎていく。
夫と子供の世話をして、ママ友たちと「近過ぎず遠からず」の関係を保ち続ける。
ドキドキしながらも、そんな「変わらない日常」を平然とこなしていた。