らぶ・みー 

「あんまり考えたくないけど、雪乃にはもう一つの世界があるって、ちゃんとわかってるよ。」

「え?.....。」

「そっちが本当の雪乃の世界で、多分、こっちが偽りの世界。それでも構わないから一緒にいたいんだ。それだけでいいから、俺と過ごす時間は、俺だけの雪乃でいてほしい.....。」

「.....泰樹。」

「考えたって、今すぐに答えは出ない。でも、離れたら終わっちゃうかもしれない。だから、今はこうして傍にいてくれるだけでいい.....。」

「.......。」



言葉が出てこない。

実際、私は二つの世界を使い分けている。

ただ、今の私は彼との時間を作るために「変わらない日常」を過ごし、彼と一緒にいられることを何よりの支えにして生きていて、どっちが本当の私なのか、自分でも判断がつかなくなってきている。

彼の真っ直ぐな愛情に溺れ始めている.......
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