らぶ・みー
キャラメルティーの甘い匂いが漂うまだ新しいリビングで微笑む益田さんは、おしゃれな主婦向け雑誌に出て来る幸せそうな奥さんそのもので、とても不倫にハマって苦しんでいるようには見えなかった。
この状況に焦っているのは、むしろ私の方なのかもしれないと思うくらい、益田さんはにこやかで落ち着いている。
「うちね、このマンション買って引っ越して来て、すぐに旦那が単身赴任になっちゃったの。旦那の両親はそんなに遠くない所に住んでるんだけど、この近所には特に知り合いなんていないし、小学生の時に三年くらい住んでただけだから、あんまり土地勘も無くて、毎日心細かった。」
「.......。」
「そしたらね、一年生の運動会の時かな?山野君が学校で声かけてくれたの。私は最初、全然わからなかったんだけど、山野君はすぐわかったって。こんなにオバさんになっちゃってるのにね。」
この状況に焦っているのは、むしろ私の方なのかもしれないと思うくらい、益田さんはにこやかで落ち着いている。
「うちね、このマンション買って引っ越して来て、すぐに旦那が単身赴任になっちゃったの。旦那の両親はそんなに遠くない所に住んでるんだけど、この近所には特に知り合いなんていないし、小学生の時に三年くらい住んでただけだから、あんまり土地勘も無くて、毎日心細かった。」
「.......。」
「そしたらね、一年生の運動会の時かな?山野君が学校で声かけてくれたの。私は最初、全然わからなかったんだけど、山野君はすぐわかったって。こんなにオバさんになっちゃってるのにね。」