らぶ・みー
Chapter 12 彼のため
chap.12 彼のため
待ち合わせのカフェのいつもの席で、左手の薬指に指輪をはめ、それを眺めながら、携帯を拾った日のことを思い出していた。
あの日、彼の携帯を拾わなければ、私たちは出会わなかった。
出会った後、こんな展開が待っているなんて、夢にも思わなかった。
いろんなことがあったけど、彼と出会えて良かった.......
今日で、そのきっかけを作ってくれたパン教室のコースが終了した。
もう、この駅に通う口実もなくなる。
彼に会える日が減ってしまう。
来週から春休みも始まるし、今度会える日はいつなんだろう。
今だって足りないくらいなのに、こんなに長い間、会えないなんて......