らぶ・みー 
彼が抱え込むように私を抱きしめ、おでこにキスをする。

ちょっと前までは、こうされるとどんな嫌なことも吹き飛んでいくような気がしたのに、今日は胸が痛くてたまらない。

胸が締め付けられるように痛いから、その痛みを紛らすように、やっぱり私は彼の腕の中に居続けることを選んでしまう.......



彼の腰に手を回したら、抱きしめる腕の力が、ギュッと強くなった。

何も言わずにそうされていると、「愛してる」がいっぱい伝わってきて、あっという間に私の中は、彼への思いで満タンになる。

愛しそうに幾度も重なる唇が、更にそれを溢れさせ、離れたくない、一緒にいたいと思う気持ちを、大きく大きく膨らませる。

彼の未来を案じていたはずが、またフリ出しに戻って、「絶対に離れない」になってしまう。



このままでは、一歩も前に進めない.......

これが、本当に彼のため?
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