らぶ・みー 
夜の海は静かで、波の音だけが規則的に鳴り響いている。

まだ泳ぐには早い季節だし、この時間になると少し肌寒い。



「これ、着とけ。」

「あ、うん。ありがとう。」



彼が腰に巻いていた赤いチェックのシャツを、私の肩に羽織らせる。

いつだって、彼は優しい。

わざとツンな態度をしたりもするけど、私を大切にしてくれないことなんて、一度もなかった。

なのに、こんなに優しい彼を悲しませるのは辛い。

だんだん胸が苦しくなってくる.......



車を降りた後、海風に吹かれながら、浜辺を歩いた。

夜空には星がキラキラしていて、ロマンチックな雰囲気が漂っている。

もうすぐお別れの時間が来る。

最後の夜にふさわしい、素敵な思い出ができるといいな.......
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